エコになるのは何キロから?-自動車のエコ替え
2009年05月21日
私の愛車は
今年からいわゆる「環境負荷の大きい自動車」
(新車新規登録から13年を経過しているガソリン車、LPG車)
の仲間入りです。
自動車税の重課税(10%)の対象となりました。
今年度補正予算案で盛り込まれた
環境対応車への買い換え・購入に対する補助制度も、
この13年を基準にしていますので、
私のような人間がエコカーへ買い替えると
重課税免除どころか最大50%の減免、さらに補助金支給と、
結構なインセンティブです。
それでも新車購入をためらっているのは
・愛車を手放せない
(30才のおじさんには、最近の丸っこい車が
いまいち好きになれなくて)
・「どのくらいエコなのか」定量的にわかってない
からでした。
今回、自動車のエコ替えがどのくらいエコなのかについて
いろいろと数字を集めて検証しました。
まず、社団法人日本自動車工業会が2007年に公表している
「自動車製造業における地球温暖化対策の取り組み」
http://www.env.go.jp/council/06earth/y060-45/mat06-1.pdf
を見てみます。
2005年度における
自動車を1台生産する際のCO2排出量を
会が全会員のメーカー14社に対して行った調査から
調べてみます。
四輪車生産額は
「自動車・二輪車生産台数と生産金額の推移」のグラフより
約18兆円と読み取ります。
CO2排出量原単位(生産額当たりのCO2排出量)は
27.3万t/兆円
これより、四輪車生産に伴うCO2排出量は
約18兆円*27.3万t-CO2/兆円=約491.43万t
一方、
四輪生産台数は1089万台
以上から
2005年度における自動車を1台生産する際のCO2排出量は
約491.43万t/1089万台=約450kg/台
次に、2009年度における同排出量を推定します。
2005年度も2009年度も、1台生産あたりのCO2排出量は同じ
と仮定します。
根拠は
・通常の自動車より生産時CO2排出量が多いハイブリッド車(トヨタ車で20%増)
の生産台数が増えること
・各社で工場内などでのCO2排出量削減の努力が進んでいること
により、排出量の増減が相殺され、+20%~-10%に収まり、
相殺具合によっては、無視してもいいだろうと仮定したためです。
さらに、製造された新車の流通・販売に掛かる排出量を考えます。
トヨタさんの資料
中長期省エネルギー/温暖化対策に向けて
http://www.toyota.co.jp/jp/csr/report/08/download/pdf/sr08_p20_p29.pdf
によりますと、
「TMC CO2排出量(エネルギー起源)と
売上高当たりのCO2排出量の推移」のグラフから、
2007年度の
生産部門のCO2排出量は約140万トン
非生産部門を合わせると約158万トン
と読み取れますので、
自動車1台を製造販売する際のCO2排出量は
約450kg*158/140=約507kg/台
(さらには客がディーラーへ通ったり、
何台かの新車に試乗したり、
情報収集をするときに掛かる排出量も
あるでしょうが、
これらは個人差もありますので無視します)
さて、ここからは、
8km/lという高低燃費車に乗る私が
CO2を約500kg排出して手に入れた
燃費16km/lの新車に乗り換えて
何キロ走るとエコになるか、
エコの補償点を計算してみます。
ガソリン1リットルあたりのCO2排出量は
燃費/CO2排出量けいさんき-JAFMATE
http://www.jafmate.co.jp/jaf_eco/form1.html
より、約2.3kgとします。
エコカー購入は
約500kg/2.3kg/リットル=217リットル
のガソリン消費に相当します。
217リットル分の燃費改善のために、
何キロ走ればいいでしょうか。
私の場合、16km走る毎に1リットル分のガソリンを節約できますので、
16×217=3472km
※偶然ですが、この16kmは
サラリーマン時代の往復の通勤距離にピッタリでした。
毎日出社するごとに1リットル分のガソリンを節約でき、
217日以上出社すればエコとなります。
(だいたい10ヶ月です)
他の方の試算には、系列の部品会社での排出量が含まれており、
自動車メーカー・販売店における排出量の約2倍の量が
そこで掛かっているという結果もあります。
自転車はエコ-伊勢本街道を自転車で走る
http://homepage2.nifty.com/y_mizuno/bicycle/eco1.html
(自転車が好きな方の試算ですが、
エコ替え効果の定量解析がなされており、
今回の試算において、データの出典について
参考にさせていただきました)
仮にこれを含めて、私の試算の3倍としますと、
エコになるまで約1万キロです。
少なくとも、公私で2年乗れば、十分エコです。
仮に、車をできるだけ使わないエコを
極端に実施(年間走行距離が半減!)したとしても
4年乗れば十二分にエコ。
「かっこわるいから」という子供っぽい理由は
大人しく心に押し込めて、
これを機にまじめにエコカー購入を検討します。
おことわり(とメーカーさんへのお願い)
廃車時の排出量については、
今乗っている車は考えず(エコ替えしなくともいずれそうなるので)、
エコ替えする新車の分を考慮する必要があります。
残念ながらデータを見つけられていませんので、
わかりませんでした。
メーカーの広報担当者さん、
私のような理屈っぽい消費者も少しはおりますので、
自動車のライフサイクルコストを明らかにしていただき、
エコ替え効果の試算シートとか、作っていただけたら
エコカーはもっと魅力的な商品になると思いますが
いかがでしょうか。
Posted by ハナシン at 12:11 | Comments(2)
| 環境
この記事へのコメント
はじめまして!
私のブログへ遊びにきて頂き、ありがとうございます(^o^)
エコ(エコノミー&エコロジー)についての計算は「なるほど」と思わせる力がありますね!
私も低燃費車に乗っているわけではありませんが、何よりも気に入っているので長く乗るつもりです♪
これからも宜しくお願い致します☆
Posted by CR-V乗り at 2010年02月23日 23:38
>CR-V乗りさん
コメントありがとうございます!
気に入った車を手放せない気持ち、よくわかります。
私も最近の車に愛着がわかず、今まで来てしまいました。
コメントさせていただいたCR-Zは、
今のところ燃費・価格・外見の面で良さげなので、
こんな私にも買い替え欲が出てきました。
また試乗や、購入の機会があればレポします^^v
Posted by ハナシン
at 2010年03月04日 09:47
今年からいわゆる「環境負荷の大きい自動車」
(新車新規登録から13年を経過しているガソリン車、LPG車)
の仲間入りです。
自動車税の重課税(10%)の対象となりました。
今年度補正予算案で盛り込まれた
環境対応車への買い換え・購入に対する補助制度も、
この13年を基準にしていますので、
私のような人間がエコカーへ買い替えると
重課税免除どころか最大50%の減免、さらに補助金支給と、
結構なインセンティブです。
それでも新車購入をためらっているのは
・愛車を手放せない
(30才のおじさんには、最近の丸っこい車が
いまいち好きになれなくて)
・「どのくらいエコなのか」定量的にわかってない
からでした。
今回、自動車のエコ替えがどのくらいエコなのかについて
いろいろと数字を集めて検証しました。
「自動車製造業における地球温暖化対策の取り組み」
http://www.env.go.jp/council/06earth/y060-45/mat06-1.pdf
を見てみます。
2005年度における
自動車を1台生産する際のCO2排出量を
会が全会員のメーカー14社に対して行った調査から
調べてみます。
四輪車生産額は
「自動車・二輪車生産台数と生産金額の推移」のグラフより
約18兆円と読み取ります。
CO2排出量原単位(生産額当たりのCO2排出量)は
27.3万t/兆円
これより、四輪車生産に伴うCO2排出量は
約18兆円*27.3万t-CO2/兆円=約491.43万t
一方、
四輪生産台数は1089万台
以上から
2005年度における自動車を1台生産する際のCO2排出量は
約491.43万t/1089万台=約450kg/台
次に、2009年度における同排出量を推定します。
2005年度も2009年度も、1台生産あたりのCO2排出量は同じ
と仮定します。
根拠は
・通常の自動車より生産時CO2排出量が多いハイブリッド車(トヨタ車で20%増)
の生産台数が増えること
・各社で工場内などでのCO2排出量削減の努力が進んでいること
により、排出量の増減が相殺され、+20%~-10%に収まり、
相殺具合によっては、無視してもいいだろうと仮定したためです。
さらに、製造された新車の流通・販売に掛かる排出量を考えます。
トヨタさんの資料
中長期省エネルギー/温暖化対策に向けて
http://www.toyota.co.jp/jp/csr/report/08/download/pdf/sr08_p20_p29.pdf
によりますと、
「TMC CO2排出量(エネルギー起源)と
売上高当たりのCO2排出量の推移」のグラフから、
2007年度の
生産部門のCO2排出量は約140万トン
非生産部門を合わせると約158万トン
と読み取れますので、
自動車1台を製造販売する際のCO2排出量は
約450kg*158/140=約507kg/台
(さらには客がディーラーへ通ったり、
何台かの新車に試乗したり、
情報収集をするときに掛かる排出量も
あるでしょうが、
これらは個人差もありますので無視します)
さて、ここからは、
8km/lという高
CO2を約500kg排出して手に入れた
燃費16km/lの新車に乗り換えて
何キロ走るとエコになるか、
エコの補償点を計算してみます。
ガソリン1リットルあたりのCO2排出量は
燃費/CO2排出量けいさんき-JAFMATE
http://www.jafmate.co.jp/jaf_eco/form1.html
より、約2.3kgとします。
エコカー購入は
約500kg/2.3kg/リットル=217リットル
のガソリン消費に相当します。
217リットル分の燃費改善のために、
何キロ走ればいいでしょうか。
私の場合、16km走る毎に1リットル分のガソリンを節約できますので、
16×217=3472km
※偶然ですが、この16kmは
サラリーマン時代の往復の通勤距離にピッタリでした。
毎日出社するごとに1リットル分のガソリンを節約でき、
217日以上出社すればエコとなります。
(だいたい10ヶ月です)
他の方の試算には、系列の部品会社での排出量が含まれており、
自動車メーカー・販売店における排出量の約2倍の量が
そこで掛かっているという結果もあります。
自転車はエコ-伊勢本街道を自転車で走る
http://homepage2.nifty.com/y_mizuno/bicycle/eco1.html
(自転車が好きな方の試算ですが、
エコ替え効果の定量解析がなされており、
今回の試算において、データの出典について
参考にさせていただきました)
仮にこれを含めて、私の試算の3倍としますと、
エコになるまで約1万キロです。
少なくとも、公私で2年乗れば、十分エコです。
仮に、車をできるだけ使わないエコを
極端に実施(年間走行距離が半減!)したとしても
4年乗れば十二分にエコ。
「かっこわるいから」という子供っぽい理由は
大人しく心に押し込めて、
これを機にまじめにエコカー購入を検討します。
おことわり(とメーカーさんへのお願い)
廃車時の排出量については、
今乗っている車は考えず(エコ替えしなくともいずれそうなるので)、
エコ替えする新車の分を考慮する必要があります。
残念ながらデータを見つけられていませんので、
わかりませんでした。
メーカーの広報担当者さん、
私のような理屈っぽい消費者も少しはおりますので、
自動車のライフサイクルコストを明らかにしていただき、
エコ替え効果の試算シートとか、作っていただけたら
エコカーはもっと魅力的な商品になると思いますが
いかがでしょうか。
私のブログへ遊びにきて頂き、ありがとうございます(^o^)
エコ(エコノミー&エコロジー)についての計算は「なるほど」と思わせる力がありますね!
私も低燃費車に乗っているわけではありませんが、何よりも気に入っているので長く乗るつもりです♪
これからも宜しくお願い致します☆
コメントありがとうございます!
気に入った車を手放せない気持ち、よくわかります。
私も最近の車に愛着がわかず、今まで来てしまいました。
コメントさせていただいたCR-Zは、
今のところ燃費・価格・外見の面で良さげなので、
こんな私にも買い替え欲が出てきました。
また試乗や、購入の機会があればレポします^^v
