緊急地震速報の誤報、2つの課題

2009年08月25日

25日朝、関東地方に誤った緊急地震速報が出された件で、
以下のような、観測システムの更新作業ミス、との報道がありました。

緊急地震速報の誤報、原因は更新作業のミス-日テレNEWS24
http://news24.jp/articles/2009/08/25/07142394.html

この件について、SEの視点から2つの課題を感じました。
1. 1つの観測所のエラーデータだけに基づいて地震速報が出てしまう観測体制
2. 必要のない作業を行った、観測機器更新作業のずさんさ

http://news24.jp/articles/2009/08/25/07142394.html

前者については、地震観測技術の門外漢なので
見当違いの指摘になってしまうかもしれません
(たとえば、複数点での観測を待つような仕様にしたら、速報性が損なわれる、
などといったトレードオフがあるのかも)

後者については、保守SEの方はお感じになると思いますが、
「必要のない作業を行う」なんてことは、通常ありえませんよね。

「必要な作業を行わなかった」といったミスは、
うっかりで発生するかもしれませんが
(エレベーター事故などでの点検ミスが該当)、
このシステムのような、ミスの許されない保守作業ほど、
よほどの不具合がなければ、ちゃんと動いているものに
わざわざ手を加えることはありません。
(保守業者側より、クライアント側が消極的ですので、
業者は更新範囲と手順を綿密に策定して、
クライアントに必要性や手順を説明した上で、
何度もテストを繰り返した後に、作業を実施します)

では、なぜこんなことが起きたのでしょうか。
以下邪推ですが、
「小さなミスの隠蔽が、より大きなミスにつながった」
といったようなメカニズムは働いていなかったでしょうか?

たとえばこの業者が、
それ以前の作業で実施し忘れていた項目に後で気が付いて、
今回の点検作業時にこっそりそれもやってしまおうとした、
ところが、クライアントに内緒で行う性質上、
その作業を行った際に実施するべき、
クライアントの協力が必要なテストや確認ができなかったため、
作業ミスを検出できなかった、とか。

ミスを隠蔽し、こっそ対応しようとする行動は、
二次発生してしまったミスの責任まで
負わなければならなくなるケースが多いと思います。

結果的に、ミスに気付いた時点で、対応策も含めて
関係者に明かした方が、
損害や信用の低下を抑えられるでしょう。



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Posted by ハナシン at 23:24 | Comments(0) | 技術
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